静かで歴史あるダブリンのブティックを語る上で「ザ・ワイルダー・タウンハウス」に勝るものはありません。輝く赤レンガが印象的な、まるで宮殿のような建物は、街で最も魅力的な通りの中心に位置しながらも、アイルランドの首都や世界の喧騒から離れた静寂と安らぎを提供してくれます。
数年前に遡ると「ザ・ワイルダー」は引退した家庭教師たちの住まいとしてスタートしました。彼らは現在のゲストと同じように、この家の華やかなヴィクトリア調の魅力を堪能していました。現代的な華やかな装飾(豪華な肖像画、派手な照明、デザイナー製のイーゼル)も取り入れられていますが、この建物は高い天井、劇的な木工細工、明るく美しい内装といった、ラグジュアリーな歴史的要素をしっかりと残しています。アデレード・ストリートの可愛らしく魅力的なエリアにひっそりと隠れた「ザ・ワイルダー」は、過去の趣と現代の感覚が絶妙に融合したブティックホテルです。その結果、個性的で魅力あふれる空間が生まれました。
外観に惑わされてはいけません。「ザ・ワイルダー」は小さく見えますが、実は42室の客室とスイートを備えています。多くの客室には、オリジナルの暖炉や趣深い隅の収納棚、本がぎっしり詰まったキャビネットがあります。コンパクトな部屋は騒がしいダブリンから逃れるための快適な空間を手頃な価格で提供しますが、より特別な体験を求めるならスイートがおすすめです。
1階の「レディ・ジェーン・スイート」は、優雅で洗練された宮廷を思わせる空間を提供します。独立したリビングエリアにはスカラップチェアや鮮やかなクッション、装飾的なマネキン、カラフルなアイルランドのアート作品が飾られた壁が特徴です。バスルームには広々とした浴槽、サブウェイタイルの壁、レインシャワー、エコフレンドリーなアメニティが備わっています。ただし、古い建物のため、隣室の水道音が聞こえることもありますが、それもこのホテルの魅力の一部といえます。
ミニバーにはアイルランド製品が揃い、明るいガーデンルームで提供される朝食も同様にアイルランドの味覚を感じさせる内容です。コンチネンタル形式の朝食では、シリアルやペストリー、自家製のパン、グラノーラなどが中央のテーブルに所狭しと並びます。メニューには、ふわふわのパンケーキや注文に応じた卵料理、アイルランド産スモークサーモンなどおなじみの料理が登場します。
夜10時以降は、心温まるスープやサンドイッチ、高級チーズプレート、そしてアイルランドらしく洗練されたカクテル、ビール、ワイン、スピリッツといった豊富なアルコールメニューをお楽しみください。
こぢんまりとしたホテルのため、このホテルにはプール、ジム、スパはありません。しかし、その代わりに24時間対応のコンシェルジュチームが、地元のホットスポットや名所を巡るための厳選されたリストを提供してくれます。ここでの滞在の魅力は、何よりもシンプルな贅沢を楽しむことにあります。お気に入りの一角を見つけて、古い本や新聞を読んだり、庭園を散策したり、あるいは周辺の街並みを歩いて楽しむのも良いでしょう。
「ザ・ワイルダー」の便利な立地のおかげで、アイビー庭園やセント・スティーブンズ・グリーンまでは徒歩5分。さらに遠くへ足を伸ばしたい場合は、静かな通りの先にあるグランド運河の遊歩道もおすすめです。
ぜひ「ザ・ワイルダー・タウンハウス」での滞在を通じて、ダブリンの静けさと魅力を満喫してください。
ルーク・アブラハムス著