古刹や活気あふれるストリート、驚くほど豊かな食文化、ひっそりと佇む個性的な街並みが交差する、魅惑的なコントラストの街、バンコク。アートスペースや活気あるナイトマーケットから、個性豊かなホテルや魅力的なバーまで、タイの首都を飽くことなく楽しませてくれる、とっておきのスポットをご紹介します。
バンコクに戻ってきたとき、いつも真っ先に耳に飛び込んでくるのが、色鮮やかなトゥクトゥクの低く唸るようなエンジン音です。巨大な電線が複雑に絡み合うタイの首都の歴史ある通りを歩くときも、特徴的な三輪車に乗って街を駆け抜けるときも、あの未来的な響きに、いつも高揚感と喜びを覚えます。私が暮らすスリランカのトゥクトゥクとは、まったく違う音です。
この15年間、私は数え切れないほどバンコクを訪れてきました。そして訪れるたびに、この街が持つ幾重もの表情にますます魅了されています。鮮やかな色彩や街に満ちる独特の音は、タイの首都の魅力のほんの一部にすぎません。そこに暮らす人々が大切にする深い敬意や情熱、そして精神的な神聖さが重なり、バンコクは常に世界でも屈指の旅行先として称賛されてきました。さらに、食やお酒を楽しむ豊かな文化、散策が楽しい歴史ある街並み、そしてセンスよく選び抜かれたホテルが加われば、一度訪れた人が何度もこの街へ戻ってくる理由も納得できます。
近年では、現代アートスペースのDib Bangkok(ディブ・バンコク)がオープンしたほか、Siri Sala(シリ・サラ)のような個性あふれるヴィラが、これまでの一棟貸しに加えて各ベッドルームの個別予約を開始。今こそ、この中毒性のある街をじっくり知るのにぴったりのタイミングです。


観光客で混み合うThe Grand Palace(ザ・グランド・パレス)を避け、比較的訪れる人の少ないWat Arun(ワット・アルン)やWat Suwannaram Ratchaworawihan(ワット・スワンナラーム・ラーチャウォーラウィハーン)へ足を運んでみましょう。後者には、息をのむほど精緻な壁画が描かれています。前者では陶磁器のモザイクで彩られた仏塔が圧倒的な存在感を放つ一方、後者は静かに心を落ち着けられる寺院で、ドラマ『The White Lotus(ザ・ホワイト・ロータス)』シーズン3にもさりげなく登場しています。そこからほど近く、チャオプラヤー川のほとりから少し奥へ入った場所にあるのが、バンコクのKudi Chin(クディチン)地区。独自のシアム・ポルトガル系コミュニティが息づくこのエリアは、数時間かけて散策するのにぴったりです。
曲がりくねった路地には、歴史ある木造家屋や昔ながらのベーカリー、The Baan Kudichin Museum(ザ・バーン・クディチン・ミュージアム)などが点在。多くの旅行者が見過ごしてしまう、バンコクの静かな一角です。
24時間営業のフラワーマーケット、Pak Khlong Talat(パーク・クローン・タラート)は、昼夜を問わず活気に満ちています。シンプルなビニール袋から鮮やかなオレンジ色のマリーゴールドや丸みを帯びた蓮の花、紫色の蘭があふれ、香り豊かなジャスミンの花輪は、供え物として買われるのを待つように砕いた氷の上に並べられています。
最近オープンしたDib Bangkok(ディブ・バンコク)では、70年にわたるプライベートコレクションを一堂に鑑賞可能。1980年代の鉄骨倉庫を改修した建物を舞台に、熱心なコレクターであり実業家でもあるPetch Osathanugrah(ペッチ・オサタヌグラ)が設立しました。Louise Bourgeois(ルイーズ・ブルジョワ)をはじめとする世界的に知られるアーティストの作品と、Thaiwijit Puengkasemsomboon(タイウィチット・プンカセームソンブーン)やSurasi Kusolwong(スラシ・クソルウォン)など、才能あふれるタイ人アーティストの作品を紹介しています。


おしゃれなTalat Noi(タラート・ノーイ)には、隠れた小道や写真映えするストリートアートが点在し、魅力的なショップやスペシャリティコーヒー店が数多く潜んでいます。ショッピングの合間には、La Cabra(ラ・カブラ)などに立ち寄って、暑さをしのぐのもおすすめです。
200年以上の歴史を今に伝え、現在は主にレストランとして使われているReal Rare House Talat Noi(リアル・レア・ハウス・タラート・ノーイ)には、入口を入ってすぐの場所に楽しいショップがあります。美しいティフィンボックスやユニークな小物、空間をたちまち引き立ててくれるホームウェアなどを販売しています。この趣ある建物は、壮麗なインテリアを見るためだけでも足を運ぶ価値があるでしょう。その近くにあるWarehouse 30(ウェアハウス30)は、アートスペースやポップアップ、センスよく選ばれたショップ、ワークショップなどが集まるクリエイティブハブ。最新情報はInstagramで随時チェックしてください。
ファッションなら、地元のファッショニスタたちに支持されているThe Blooming Story(ザ・ブルーミング・ストーリー)へ。遊び心のあるプリントや洗練されたシルエットが魅力です。一方、I’m Not A Morning Person(アイム・ノット・ア・モーニング・パーソン)では、タイ人デザイナーのアイテムをはじめ、リメイクされたヴィンテージアイテムも豊富に揃います。そして、Pace Shoes(ペース・シューズ)もぜひブックマークしておきたいショップ。Wang Thonglang(ワントーンラーン)にある予約制のショールームでは、Instagram映えする蘭の装飾を施したキトゥンヒールが旅のお土産にぴったりです。サンダルをカスタマイズして、自分だけの一足に仕上げることもできます。
高級レストランから蛍光灯が照らすナイトマーケットまで、バンコクではほとんどどの通りでも、素晴らしい料理に出合えます。ぜひ味わいたいのは、Saleethip(サリーティップ)のフレッシュなマンゴーともち米、活気ある路上の屋台で味わうタイミルクティー、そしてWat Arun(ワット・アルン)近くのThanon Wang Doem Road(タノン・ワン・ドゥーム・ロード )にある小さな店で販売されているKhanom Bueang(カノム・ブアン)。ココナッツクリームとゴマ、甘い卵黄の細切りを詰めた、小さくパリッとしたクレープのようなお菓子です。
ナイトマーケットなら、Talat Phlu(タラート・プルー)は外せません。カリッと香ばしく炭火焼きにした豚肉をご飯にのせたSunee Khao Mu Dang(スニー・カオ・ムー・デーン)の屋台や、少し変わった名前ながら絶品のItim Khai Khaeng(アイティム・カイ・ケン)を探してみましょう。こちらはアイスクリームにさまざまなナッツをトッピングし、さらに卵黄まで添えたユニークな一品です。
レストランも魅力的な店が数多くあります。Sukhumvit(スクンビット)駅からほど近い、地元で愛されるSri Trat(シー・トラート)では、洗練されたモダンタイ料理を味わえます。また、Duet by David Toutain(デュエット・バイ・ダヴィッド・トゥタン)では、エレガントな空間でタイとフランスの料理を融合させた料理を楽しめるでしょう。
そして、何百軒ものカクテルバーが集まるバンコクでは、ナイトキャップをどこで楽しむか決めるだけでも、少々頭を悩ませるかもしれません。「世界のベストバー50」には、なんとBKK Social Club(BKKソーシャル・クラブ)とBar Us(バー・アス)の2軒が選ばれています。
私のお気に入りは、きらめくWat Pho(ワット・ポー)の景色を望み、Wintermelon Punch(ウィンターメロン・パンチ)のような個性豊かなカクテルを楽しめるNuss bar(ヌス・バー)。一方、The Photobooth(ザ・フォトブース)は薄暗い照明が印象的な隠れ家的なバー。躍動感のあるサウンドトラックと、タイならではの多彩な風味や食材を取り入れた革新的なカクテルが魅力です。テディベア型のユニークなグラスで提供されるTeddy’s Tonic(テディーズ・トニック)は、ウイスキーに豆乳とIPA((インディア・ペールエール))を合わせた、複雑で爽やかな風味が印象的な一杯。興味をそそる組み合わせながら、驚くほどおいしいカクテルです。


これまでは一棟を完全に貸し切るスタイルのみでしたが、オーナーのIrma Go(イルマ・ゴー)と夫のKirati Thepsoparn(キラティ・テプソパーン)は最近、5室ある美しいベッドルームを個別に予約できるようにしました。これにより、バンコクで最も美しい邸宅のひとつを、これまで以上に身近に楽しめるようになっています。バンコク・ノーイ地区の穏やかな川沿いに位置し、ここでは一日がゆっくりと流れていくでしょう。タイマッサージや、蓮の花を折る体験、伝統的なタイのハーブ吸入器「Ya Dom(ヤー・ドム)」のワークショップなど、スタッフが案内する文化体験、そしてプールでのひと泳ぎが待っています。料理、サービス、インテリアはいずれも申し分なく、客室料金にはアクティビティ、マッサージ、家庭料理、そしてHeritage Bar(ヘリテージ・バー)で提供されるカクテルまで含まれています。このバーは、『The White Lotus(ホワイト・ロータス)』で見覚えがある方もいるかもしれません。
地元資本のこの隠れ家ホテルには、バンコクでも特に写真映えするインフィニティプールがあり、街を一望する景色と幻想的な夕景を楽しめます。明るく清潔感のある客室に加え、趣向を凝らしたアフタヌーンティーも魅力のひとつ。朝食は好きな時間に楽しめるため、時差ぼけが気になる旅行者にも嬉しいポイントです。毎日18時からは、無料のサンセットドリンクも用意されています。
並木道が続くバンコクの大使館街、Wireless Road(ワイヤレス・ロード)に位置し、緑豊かなLumpini Park(ルンピニー・パーク)からも歩いてすぐ。Oriental Residence Bangkok(オリエンタル・レジデンス・バンコク)は、活気あるバンコクの中心にありながら、ひっそりと佇むラグジュアリーな隠れ家のようなホテルです。広々としたスイートは、柔らかなニュートラルカラー、ダークウッドの床、エレガントな家具でまとめられています。客室には大理石のバスルームと、街またはガーデンを望むバルコニーも備えています。
Thonglor(トンロー)地区にある、意外なほどリーズナブルな隠れ家ホテル。オーダーメイドの家具やカラフルなアクセントを取り入れた空間と、バンコクでも特にフレンドリーなスタッフが魅力です。全8タイプの客室は、広々としたキングルームから3室構成のスイートまで幅広く、いずれも上質なベッドリネン、ミニバーコーナー、広々とした大理石のバスルームを備えています。Thong Lo(トンロー)駅まで、無料の送迎サービスを利用できます。
穏やかなグリーンを基調としたデザインが、この5つ星ホテルの随所にさりげなく取り入れられています。睡蓮が浮かぶ水路や、上下2層に広がる美しく手入れされた庭園から、ベルベットのようなグリーンのヘッドボード、Sukhothai Club(スコータイ・クラブ)棟の客室に施されたインテリアまで、統一感のあるデザインが印象的です。南国らしい庭園だけでも訪れる価値がありますが、25mの本格的なスイミングプールもあり、隣接するカフェ&バーでくつろぐこともできます。ホテル内には2軒のレストランがあり、タイ料理とイタリア料理を味わえます。