個性豊かでカラフルな地区が広がり、文化と美食が花開くメキシコシティは、クリエイターたちが住み、訪れる人々を惹きつけています。コンデサはアール・デコ建築と活気あるブランチスポットで定番の人気エリアです。ボヘミアンな雰囲気のコヨアカンは、長年アーティストたちの避難所であり続けてきました。新興エリアのフアレスは、若い世代を惹きつける新しいクールさと隠れ家的バーで注目を集めています。そしてローマ・ノルテは、それらとは異なる独自のリズムで動いています。その独特のリズムとクリエイティブな空気感は、ほかではなかなか味わえません。

発展と再生…

ローマ・ノルテは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて裕福な住宅地として名声を確立しました。当時、この地区のアール・ヌーヴォー様式、新古典主義様式、そして後にはアール・デコ様式の邸宅には、ヨーロッパ風の建築や緑豊かな並木道に魅了された上流階級の人々が住んでいました。

しかし1940年代になると、裕福な住民たちはこの地域を離れ始め、かつて壮麗だった邸宅は放置されたり、分割されて利用されるようになります。1985年の地震は地区の多くに被害をもたらしましたが、最も重要な建物のいくつかは被害を免れました。その後の数十年間は緩やかな再生の時期となり、20世紀後半から21世紀初頭にかけて若いクリエイターたちが流入したことで活気が戻っていきます。

現在のローマ・ノルテ(コロニア・ローマの北側、歴史地区の西に位置)は、アート、食、ナイトライフ、ショッピングが融合したダイナミックなエリアです。アーティストや流行の発信者、そしてそれを目指す旅行者たちが集まる人気のスポットとなっています。象徴的なファサードの多くは修復され、新しい建物とともにカフェ、最先端のギャラリー、カクテルバーなどが入っています。気取らずクールで歩きやすい雰囲気も、この地区が特に人気である理由のひとつです。

見どころとショッピング

ローマ・ノルテを理解するには、この地区を支える象徴的な建築物を知ることが重要です。プラザ・リオ・デ・ハネイロに面し、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせる赤レンガの有名な建物「カーサ・デ・ラス・ブルハス(魔女の家)」を訪れてみてください。その後、カジェ・オリサバ通りを歩き、ポルフィリアート時代の文化施設「カーサ・ラム」へ向かいましょう。そして1900年代初頭の歴史的なアーケードで、現在はカフェやレストラン、地元のショップが入っている「エル・パリアン」へ足を延ばしてみてください。

ローマ・ノルテは活発なアートシーンでも知られ、多くのギャラリーが点在しているのが特徴です。「ムーニ」には、メキシコ国内外の新進アーティストによる鮮やかで色彩豊かな作品が並びます。「ガレリア・マスコタ」はプロジェクトスペースとして位置づけられ、大型絵画や彫刻から没入型のテキスト作品まで、思考を刺激するコンセプチュアルで実験的なアートを展示しています。また、改装されたアール・ヌーヴォー様式の邸宅内にあるユニークな博物館「モード(MODO)博物館」でも、さらなるアートや珍品を楽しめるでしょう。

カジェ・コリマ通り沿いにはショップが並び「メチャ・マンシージャ」では自然をモチーフにしたモダンなジュエリーをデザイン・手作りしています。メキシコ製のお土産を探しているなら、エメラルドをあしらった24金メッキのハンドリングは控えめながら印象的な一品です。「イレーネ・ブッファ」では、チェック柄のクリスチャン・ディオールのブレザーなど、デザイナーズの中古品や高級アイテムが揃っています。「180ºショップ」にはスローファッションの衣類やアクセサリーが並び、メキシコ製のポンチョやデニムジャケットなどが見つかるでしょう。隣の「エスペランサ・ホーム」では、陶器の花瓶や編みバスケットなど、美しい手作り品が販売されています。

ローマで何をどこで食べるか

朝は「パナデリア・ロゼッタ」でペストリーとコーヒーから始めましょう。メキシコシティでも特に人気のベーカリーで、行列は覚悟が必要です。その待ち時間に、定番のグアバロールにするか、リコッタとレモンの季節限定ペストリーにするか考えるのも楽しみのひとつです。

ランチには「カンポバハ」へ。工業的な雰囲気を持つスタイリッシュな店内は自然光が差し込み、ホタテのセビーチェ、アグアチレ、マグロのトスターダなど、新鮮な料理を楽しむのにぴったりの空間です。

ディナーには「メロマ」で予約を取りましょう。シェフのメルセデス・ベルナルとロドニー・キュージックが手がけるこの店では、国際的な要素を取り入れた料理と洗練された雰囲気、そしてクラシックカクテルが楽しめます。また「マキシモ」も地元客や観光客から長年高い評価を受けており、ロブスターのタルタルや牛テールのラグー入りタリアテッレなど、素材を重視した料理が魅力です。

トレンディなバーがひしめくこの街で、2014年以降「世界のベストバー50」に常にランクインしている「リコレリア・リマンツール」は、今もなおトップの座を保っています。アルバロ・オブレゴン通りにある2階建ての賑やかな空間で、独創的なカクテルを提供しています。

宿泊施設

ブリック・ホテル
ブティックや高級レストランが並ぶ活気あるオリサバ通りに位置し、ローマ・ノルテのモダンラグジュアリーを体現しています。20世紀初頭のレンガ外装、ロビーのオリジナルタイル、そして世界クラスのアートコレクションが特徴です。レストランは洗練された雰囲気で、鴨のコンフィのタマルやメキシコワインを楽しみながら人間観察ができるスポット。屋上テラスは知る人ぞ知る隠れ家的空間です。

ロソ・ゲストハウス 
修復されたポルフィリアート時代の邸宅にあり、親しい友人の家に滞在するような温かさと、高級ホテルの洗練さを兼ね備えています。ロビーの代わりに居心地の良いリビングルームでチェックインし、ウェルカムドリンクが提供されます。タイルやアートにはローマ・ノルテの活気が表現されています。植物に囲まれた屋上は、静かにくつろげる空間です。

ラ・ヴァライズ・メキシコシティ
ロマンチックな旅行や大人同士の滞在に最適な宿で、職人技が光る空間と居心地の良い客室が魅力です。全8室はそれぞれ異なる内装で、メキシコのアンティークや手織りラグ、印象的なアートで彩られています。ポラリススイートやシレネスイートには専用屋上があり、猫足バスタブと可動式キングベッドで星空の下での特別な体験ができます。