車を寄せてバレットにキーを預け、入口の石に刻まれた「1885」の文字の下をくぐれば、物語の中へ足を踏み入れたかのような感覚。かつて金の延べ棒を預ける貸金庫の建物だった美しいブラウンストーンは、いま新たな黄金期へ。ミッドセンチュリー・モダンの家具、創建当時のまま残る暖炉、ヴィンテージの掘り出し物。美しくデザインされたこのウィルミントンのブティックホテルは、歴史を隠すことなく、誇らしげにまとっています。何しろ、この壁が語れるなら、ここに足跡を残した大統領たちの逸話も、そっとささやくことでしょう。
ザ・コイン・ホテルの内装には、クラシックな趣と現代的なエッセンスが織り込まれています。個性豊かなアーチ窓の客室から、ウィルミントンの穏やかなざわめきを見渡して。光に満ちた空間に腰を落ち着ければ、AesopのバスルームアメニティとLavazzaのエスプレッソマシンが、上質さを添えてくれます。ロビーの先には「The Quoin Restaurant」。薪火を生かした調理と旬の食材を軸に、モダン・イタリア料理を供する、地元の人々が集うレストランです。カクテルを片手に眺望を楽しむなら、The Rooftopへ。そのあとは、かつて上流階級が財宝をしまい込んでいた銀行の金庫室がバーに生まれ変わった「Simmer Down」に、そっと滑り込んで。
ザ・コイン・ホテルの地元ウィルミントンでは、街角ごとに宝物が待っています。ブランディワイン・パークでピクニックを楽しみ、かつてバッスルドレス姿の女性たちが歩いた情景に思いを馳せたら、ウィルミントン・アンド・ウェスタン鉄道のアンティーク機関車で小さな旅へ。あるいは、壮麗なネモアーズ・エステートを午後いっぱいかけて散策するのも一案です。庭園はヴェルサイユに着想を得たもの、邸宅はいまヴィンテージカーのコレクションを収めています。造営したのはアルフレッド・デュポン。一族の歴史は、ハグリー博物館・図書館で紹介されています。美しいベルビュー州立公園と樹木園も、デュポン家ゆかりの地のひとつです。夜は、グランド・オペラ・ハウスでアリアに耳を傾けて。かつてバッファロー・ビルが鞭を鳴らした、あの舞台です。
個性あふれる空間で、美食の創造性を味わえるダイニングが3つ。暖炉のそばでミックスやマドリングで仕立てたカクテルを楽しむ「The Quoin Rooftop Bar」は、夜の幕開けにうってつけです。「The Quoin Restaurant」では、北イタリアの伝統を受け継ぎつつ、素材を主役にしたモダンなアプローチを取り入れたメニューでディナーを。完璧なマティーニさながらに、贅を尽くした内装とカクテルラウンジのスタイルを巧みに溶け合わせるのが「Simmer Down」。建物の下層階、かつての「Money Room」にあります。
The Quoinは、フルサービスの端正な街のレストラン。イタリア料理に着想を得た味わいに、薪火を用いた現代的なアクセント。地中海料理の定番を軽やかにアレンジした一皿、探求したくなるよう構成された旧世界のワインリスト、吟味を重ねたクラフトカクテルが揃います。
Simmer Downは、屈指のカクテルバー&ラウンジ。伝統的なカクテルやスペシャルドリンクに、独自の解釈を加えた一杯が見つかります。
ペントハウス階にあるのは、ウィルミントンで初にして唯一のRooftop Bar&Lounge。暖炉のそばで味わう軽食、熟練の技で仕立てるカクテル。隣接する中庭、オールド・タウン・ホールの尖塔、美しい夕日。ここでしか出会えない眺めが、街の新たな表情を見せてくれます。
ホテル住所
The Quoin Hotel
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