旅慣れた旅行者なら誰もが知っていることですが、秋は旅に出るのに最高の季節です。ピークシーズンは過ぎ去ったものの、美しさや温かさはまだ残っています。たとえば、柔らかな日差しが差し込む京都の寺院、春の芽吹きを迎えるメンドーサのブドウ畑、そして余熱を帯びたままのクロアチアの海岸線。人混みも落ち着き、より自然で本来の姿を見せてくれる時期です。ショルダーシーズンの中でも特に魅力的な時期であり、人は少なく、光はやわらかく、ゆったりとした時間の中で旅先をじっくり味わい尽くせます。
黄金色の秋の光に包まれる西安の古都で、ユンチ・ホテル・シーアンは季節の移ろいを静かに見守る穏やかな隠れ家です。要塞のような外観は、外に広がる城壁を思わせる堂々たる佇まい。しかし一歩中へ入ると、やわらかな光と落ち着いた色調に満ちた空間が広がり、瞑想用のプールを備えた中庭が穏やかな時間を演出します。
客室は心地よく包み込まれるような雰囲気で、明るい陽光が差し込みます。活気あふれる市場や「トゥームレイダー2」にも登場した兵馬俑博物館を探索した後の休息にぴったりです。
アクア・ディ・パルマのアメニティや、西安の13の王朝から着想を得たカクテルなど、細やかな心配りが随所に感じられるでしょう。ユンチ・ホテルは、西安の歴史とエネルギーを現代的な感性で映し出した静謐なオアシスです。


9月はアルゼンチンが春を迎える季節。カサ・デ・ウコ・ヴィンヤーズ&ワインリゾートでは、澄み切った空の下、ウコ渓谷が目覚め、生命力にあふれます。
ミニマルデザインの客室やヴィラには、ブドウ畑とアンデス山脈を望む大きな窓から光が差し込み、320ヘクタールに広がる敷地では、豊かなワイン造りの伝統に触れることができます。
星空の下で味わうシグネチャーワインのピクニック、ウコ・スパでの癒しのひととき、そして花咲く大地を歩く朝のトレッキング。馬に乗ってブドウ畑を駆け抜けたり、伝統的なアサード(バーベキュー)を楽しんだりと、ここではモダンなデザイン、息をのむような自然、そしてワインという芸術が見事に調和します。


アドリア海を見下ろす崖の上に建つブティック&デザイン・ホテル・ナヴィスは、暖かな日が続く季節にぴったりの滞在先です。クヴァルネル湾に沈む夕日が海を金色に染める光景は息をのむ美しさ。
ガラス張りの洗練された客室はすべて海の地平線へと開かれ、プライベートテラスから穏やかな波のうねりを眺めながら過ごせます。
昼は崖下の温かな海に身をゆだねたり、島々を巡るボートトリップで水上からの絶景を楽しんでください。夜は、季節の恵みと壮大な海景が調和するテラスレストランで食事を楽しめます。
周辺には森林のトレイルや山歩きのルート、そして歴史あるオパティヤの街並みも。ナヴィスは、夏から秋へと移ろうクロアチアの海岸を優雅に堪能できる洗練の拠点です。


ペノブスコット湾を見下ろす丘の上に建つカムデン・ハーバー・インは、メインの季節の移り変わりを間近で感じられるホテルです。朝の澄んだ空気が海を包み、背後の山々が銅色や黄金色に染まる光景はまさに秋そのものです。
ビクトリア様式の建物内では、モルトンブラウンのバスアメニティと「メイン・カドルダウン」のリネンが揃い、快適な滞在を演出。館内のレストラン「ナタリーズ」では、昼はロブスターのエッグベネディクト、夜は地元の食材を使ったコース料理が楽しめます。
地域のリズムに身を委ねて、漁師と一緒にロブスター漁を体験したり、サンセットセーリングや紅葉ハイキング、ワイナリーツアーも満喫できます。夜は「キャンディ・ラウンジ」で、懐かしいお菓子と創作カクテルの組み合わせをお楽しみください。


東山の緑豊かな麓で、夏の暑さがやわらぎ、木々がほんのり色づき始める季節。円山公園のそばに佇むホテル長楽館は、かつて賓客を迎えるために建てられた洋館を改装した優美な隠れ家です。
館内にはステンドグラスや大理石の暖炉、バカラのシャンデリアなど、かつては来賓のための邸宅だった頃の華やかさが今も息づいています。客室はわずか数室のみ。静けさと贅沢さを兼ね備えた空間で、京都の秋をしっとりと味わえます。
ティーサロンでパティスリーを楽しみ、公園や石畳の小道を散策したあとは、エレガントなバーでカクテルを。ディナーでは、旬の食材を用いた京都らしい美しい料理を堪能してください。


フォション・ホテル京都は、パリの洗練されたスタイルと日本の職人技が融合した贅沢なホテルです。
1階のパティスリーでは、まるで芸術品のようなスイーツが並び、最上階の「グラン・カフェ・フォション」では、山々を望む夕暮れの景色とともにお酒を楽しめます。
スイートルームは淡いピンクを基調に、信楽焼のバスタブや今治コットンのバスローブなど京都らしいディテールが光ります。季節のスイーツが毎日補充されるグルメミニバーもうれしいポイントです。
寺院や茶屋を巡ったあとは、街を一望しながらグラスを傾け、京都の夜を締めくくりましょう。

